生活維持向上倶楽部「扉」

私（管理者）は以前勤めていたところで、職員が「私たちは頑張っている」と言っていることやご利用者さまの認知症や拘縮・機能低下が進行していく現状、一日中なにもせず座っている姿に疑問が生じる毎日でした。スタッフの関わり方を見直さなければならない、また、ご利用者さまの病状の進行を予防して行かなければならないと思い、自分で事業所を立ち上げました。私たちは、ご利用者さまをメンバーさん、スタッフをパートナーと呼んでいます。ご本人ご家族さまとこれからの人生を共に歩ませてくださいという気持ちです。危ないから等の理由からやってあげてしまう現在の介護の常識を打破する事業所を作りたいと日々メンバーさんと生活を営む事への実践をしています。

看板に「デイサービス」「介護事業所」とは掲げておらず、脳トレ・レクレーションも行っていません。「これをやってみたい」「今日は疲れたので何もしたくない」という本人の意向を叶えられる居場所ではなく活動の場ではなくてはならないと思っています。個別の機能訓練は日常生活動作・生活機能に向けて行い、生活を営む事に向けての活動となります。例えば、入浴に関しであれば、御自宅で入れる方や可能性がある方であればその事が維持できる事や自宅での入浴に繋がるように関わります。必ずしも事業所で入る必要はないと考えています。メンバーさんはそれぞれの過ごし方をし、できることは出来る限り自分でおこなっていただき、やりづらさが生じているところのみパートナーがサポートをしています。しかし、出来るからとただ頑張ってもらうのではなく、過剰な努力による２次障がいの予防の為、現在の能力や潜在している能力を適切に発揮していただけるようにその都度お伝えさせていただく事を継続しています。また、自律に繋がる環境の提供を継続して取り組み、事業所だけで出来るのではなく、御自宅の生活に繋がるように関わらさせて頂いています。

ほかの事業所に通い続けることが出来なかった方が、続けて通ってくださっています。またご家族さまから、本人が家でできることが多くなり介護のために離職をせずに済んだというお声もいただきました。ほかにも、会話が増えたという声や、ここに通ってから動作がよくなり旅行に行けるまでになったという声もいただきました。介護度が改善される方や、改善の結果卒業される方もいらっしゃるので、本来の介護サービスの在り方ではないかと思っています。